高知県西部に位置する幡多地域。
この幡多地域の住民には甘党が多い。
なぜ幡多地域、とりわけ宿毛市は甘党嗜好なのかというと、昔から船による対岸・九州との交流が盛んだったからだ。
海外貿易や地元での砂糖生産が盛んな九州は、醤油にまで砂糖が入るほどの甘党文化の地。
その九州から幡多地域に砂糖が入り、甘党文化が伝播、羊羹をはじめとした甘い和菓子が数多く作られるようになった。
その結果、幡多地域には独自の文化が形成され、海向こうの大分県や近隣の愛媛県に似た味の嗜好になったと考えられている。
なので、ただでさえ甘いあんぱんに茶色い羊羹をコーティングした”甘さの上ぬり”ともいえる、甘党には堪らない羊羹ぱんなるものがこの地に存在するのだ。
羊羹ぱんは、昭和40年代頃から幡多地域で食べられるようになったのだが、その時期や由来の詳細は定かではない。
伝聞によれば、昔、焼きすぎて表面が焦げたパンをごまかすために茶色い羊羹をパンの表面に塗って売り出したのが始まりとのこと。
その場しのぎの職人アイデアが、高知県の名物パンへと変貌を遂げたのだから、何がどう転ぶのかわかならいものだ。
かつては高知市内でも作られ、農繁期のおやつなどとして食べられていた羊羹ぱんだが、現在では高知県内でも西部地域にしか残っておらず、宿毛市の菱田ベーカリーが製造・販売している。
この高知県西部の幡多地域に生まれ根付いた独特の文化や、昔懐かしい商品を今後も引き続き届けられるように、菱田ベーカリーは製造・販売、そして発信もしてゆくとのことだ。
【有限会社菱田ベーカリー】
・所在地:本店 高知県宿毛市和田340番地1
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