将棋の第30期竜王戦7番勝負第5局が12月5日、鹿児島県指宿市で行われ、挑戦者の羽生善治棋聖(47)が渡辺明竜王(33)を87手で勝ち、第30期竜王戦7番勝負の通算成績が4勝1敗となり、15期ぶりに竜王位を奪還した。
これにより、羽生善治新竜王は、前人未踏の竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖全てのタイトルにおいて「永世7冠」を達成した。
羽生棋聖は、今回の第30期竜王戦7番勝負で竜王を通算7期獲得。
連続5期か通算7期以上の竜王保持者に与えられる「永世竜王」の資格を獲得した。
羽生棋聖はこれまで名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖のタイトルで永世称号の資格を得ていた。
将棋界の8大タイトルのうち、永世称号の規定のない叡王戦を除く7つの将棋タイトル全てにおいて永世称号を獲得する大偉業となった。
羽生棋聖に次ぎ、永世称号獲得の多い棋士は、大山康晴15世名人と中原誠16世名人の5タイトル。
羽生棋聖の獲得した将棋の全タイトル
- 竜王 7期(連続2期が2度)
- 名人 9期(連続3期が2度)
- 王位18期(連続9期)
- 王座24期(連続19期)
- 棋王13期(連続12期)
- 王将12期(連続6期)
- 棋聖16期(連続10期・継続中)
また、羽生新竜王は会見にも現れ、「将棋の世界は、基本的に伝統、長い歴史がある世界ですが、盤上で起こっているのはテクノロジーの世界。日進月歩でどんどん進んでいます。過去の実績で勝てたといっても、これから先に何か盤上の上で意味があるかと言われれば、あまり意味がなくて。常に最先端を探求していくという思いでいます」と語った。