くず餅ベースだから、もっちり、ひんやりのバーに
甘党の人たちから、「これからの暑い季節には、キンキンに冷やした水羊羹が美味しい」ということをよく聞かされる。
甘党ではない筆者からすると、水羊羹はなぁ、というのが正直な心境なのだが、筆者でも食べることができる和菓子が存在する。
それはわらび餅やくず餅だ。
ただし、「黒蜜なし」でなら、という条件がつくのだが。
そんな筆者を慮って作られたのではなかろうか、と思ってしまうくらいの、くず餅を使った新商品が出た!
その商品が、愛知県岡崎市にある御菓子司和泉屋の「くず餅バー」だ。
このくず餅バー、名前の通りくず餅で作られているのは言うまでもない。
くず餅ベースで、「いちごミルク」、「レモンミルク」、「ブルーベリーヨーグルト」、「抹茶ミルク」といった4種類の味を用意しており、小豆が入った抹茶ミルク味以外の味ならば、筆者でも全然いける。
形状は、巷で頻繁に見かける棒付きアイスそのもので、ハッキリと視認できるほどに大きい果肉が内包され、押し寿司のように固められている。
しかし、固められているから、井村屋のあずきバーみたいに硬いのかというと、全然そんなことはなく、もっちりした食感なのだ。
暑い季節に食べるスイーツ、デザートでもあるから、ひんやり食感でもある。
なぜこういうスイーツを街の和菓子店が作ることになったのかだろうか?
「和菓子屋」に興味を持ってもらうフックとしてのくず餅バー
くず餅バーを作るきっかけについては、御菓子司和泉屋【公式Twitter】が発信済みだ。
「Twitterでバズるのは楽しいですし、それでお客さんが来てくれるのはもちろん嬉しいのですが、売上よりもまず、「和菓子屋」に親近感を持ってほしいのです。
当店のツイートをみて、身近な和菓子屋さんに興味を持ってもらうことが、和菓子業界&文化に必要なのです(;´・ω・)」(御菓子司和泉屋【公式Twitter】より)。
要するに、「和菓子屋」に興味を持ってもらうフックとして、くず餅バーを作ることになったということだ。
入り口はくず餅バーだけども、次第に他の和菓子にも興味を持ってもらうようになって、その結果、和菓子業界や和菓子文化を盛り上げることに繋がれば素敵だな、ということだ。
実際、御菓子司和泉屋では、くず餅バーだけではなく、わらび餅や本葛まんじゅうといった、昔ながらの涼し気な和菓子のラインナップも存在しているから、併せて堪能するのも良いだろう。
伝統や文化に胡座をかくことなく、果敢に新しい試みにチャレンジする勇気の重要性を、あらためて和菓子店から気付かされた次第だ。
■御菓子司和泉屋【公式Twitter】
https://twitter.com/izumiya_okazaki