じゃんけんに勝利の法則あり!日本じゃんけん協会【連載:アキラの着目】

じゃんけんに勝ちたいと思ったことは誰でもあるはず。

じゃんけんに負けてしまったばかりに掃除当番になった、とか、じゃんけんに弱いことで損な役回りをやる羽目になることが多々あるのが、日本社会なのだ。
じゃんけん

「グー」(石)、「チョキ」(ハサミ)、「パー」(紙)で成り立っている日本のじゃんけんは、世界のじゃんけん同様、どれが最も強いというのがない。

それぞれの勝つ確率が1/3なので、必勝法など存在しないのは周知の事実なのだが、しかし、実は「勝利の法則10ヵ条」を日本じゃんけん協会の公式サイトでは堂々と明記しているのだ。

勝利の法則10ヵ条

1.はじめのグー

特に初心者は最初にグーを出す傾向があるとのこと。

というのも、最も咄嗟に出しやすいのがグーだからなんだとか。

それにグーには「強い・拳」、「パンチ」といった勝利に結びつきやすいイメージが背景にあることも影響しているのではないかと。

いきなり「じゃんけんぽん!」と不意打ちを仕掛ける場合や、対戦相手が怒っていたり、力が入っていたり、乗り気ではない場合などは高確率でグーが出るので、「パー」を出せば、高確率で勝利できるのだそうだ。

しかし「最初はグー」方式だと、対戦相手はグー以外のチョキかパーを出す傾向があるため、その場合はチョキを出すと良いのだとか。

2.策練りのチョキ・パー

この「2.策練りのチョキ・パー」は、「1.はじめのグー」の応用だ。

よく考えてから出す手は、グー以外のチョキやパーの頻出率が上昇するとのこと。

つまり、こちらが出す手を考え、対戦相手にも考える時間を与えれば、対戦相手はチョキ・パーを出す確率が高くなることを意味し、その場合はチョキを出すと良いとのこと。

3.あいこには負ける手を

人は無意識に偏りなく手を出そうとするので、同じ手を続けて出すことを回避しようとする。

つまり、あいこになった場合、その次の手で対戦相手は異なる手を出す確率が高いのだ。

ならば、グーであいこになった場合は、その次の手で対戦相手はチョキかパーを出す確率が高いから、あいこ手のグーに負けるチョキを次の手で出せば、勝率が上がるとのこと。

連続2回であいこになった場合は、よりこの法則が使えるのだとか。

ただし、この法則には例外があので、次項4を参照のこと。

4.チョキのあいこにはチョキを

チョキであいこになった場合に限り、チョキを出すというのがこの法則。

これは、チョキの形から転じて、次にグーを出すのが、動作的にしにくい傾向があることから生まれた法則だ。

チョキの形からもう一度握り直すグーは出にくく、パーまたはチョキの頻出率が上昇する。

つまりチョキであいこになった場合は、引き続きチョキを出せば、勝つ確率が高くなるとのこと。

5.拳読

じゃんけんは、グーの形からグー、チョキ、パーのいずれかを出すので、相手のグーが少しでも開けば、チョキかパーを出すということだ。

じゃんけん「ぽん!」の瞬間で対戦相手の手が少しでも開くのを感知できれば、チョキを出すと負けることはない。

実際、チョキやパーを出す際は、「ぽん!」の手が出る一瞬前に指が開き始めていることが多々見受けられるのだ。

ただし、この技法は一歩遅れれば「後だしじゃんけん」となり、負けとなる諸刃の技法なので、鍛錬が必要とのこと。

6.宣言する

あなたが次に何の手を出すのかを予め宣言し、その通りの手を出すという方法だ。

例えば、あなたが「次はグーを出す!」と宣言すれば、大抵の対戦相手はその言葉を疑って、パーを出してこない。

ということは、対戦相手の出す手はチョキかグーになる。

ということは、やはり、あなたはグーを出せば、少なくとも負けはしない、ということになる。

「そんな馬鹿な!」という作戦だが、実際に心理的には効果があるようだ。

心理戦に慣れておらず、なおかつある程度考えてしまう人間が対戦相手の場合に有効とのこと。

なお、この際に肝心なのは、宣言からじゃんけんをするまでの時間と、相手の性格を正確に捉えることだとも。

宣言からじゃんけんをするまでの時間が長くなればなるほど、対戦相手は裏の裏、、、と読み、手が変わっていき、こちらの思惑通りにならなくなる可能性があるとのこと。

7.勝ち手は続く

この法則は、何回も絶え間なく連続じゃんけんをする際に有効とのこと。

連続じゃんけんの場合、次に何を出すべきかの思考時間が少なくなればなるほど、大抵の人は直前で最終的に勝った手を次回も出してくる確率が高いのだ。

例えば、対戦相手が直前にチョキで勝ったのであれば、思考時間が少なくなってくると、無意識のうちにチョキを出す傾向が高くなるのだ。

当然その場合は、あなたがグーを出せば最終的に勝つのは言うまでもない。

これは、いわゆる成功体験、行動分析学的にいうと、「好子出現の随伴性による強化」(良い結果を引き起こす行動は、後に増えていく)というものだ。

8.上級者にはグー

「2.策練りのチョキ・パー」、「4.拳読」のように、じゃんけん上級者はチョキを出す頻度が多くなる。

ということは、こちらがチョキを出せば、負ける確率は低くなるが、グーを効果的に出せば、じゃんけん上級者を撃つ負かすことが可能となるとのこと。

9.先見せ(チョキ・プライミング作戦)

「最初はグー、じゃんけんポン」の「じゃん」のタイミングで対戦相手にチョキを見せ、「ポン」でグーを出すという高等テクニック。

対戦相手は、フライングで見せられたチョキにつられ、チョキを出すのでこちらが勝つ確率が高くなる、という仕組みだ。

●使用上の留意点(コツ) ※考案 茨城大学 矢内浩文先生
・フライングのチョキを確実に「見せる」工夫が必要になり、具体的な所作としては、対戦相手の目と「最初はグー」時の拳を結ぶラインの延長線上にこちらの顔が来るように顔を低くし、顔の前でフライングのチョキを出すと良いとのこと。
・「最初はグー」では何事もないように平然としておき、「じゃん」時に不意に顔(体勢)を低く構えるのが良いとのこと。
・「最初はグー」では相手との距離を長めにとり、「じゃん」時に対戦相手に迫るようにすると良いとのこと。
・フライングのチョキを見せる際に、ふらつかないようにチョキをしっかりと固定すると良いとのこと。

10.どうしようもなくなったらパー

こちらと同等の戦略を駆使してくる対戦相手の場合は、最終的に次に何を出せばいいのかわからなくなる、つまり対戦相手の手が読めなくなる場合がある。

そんな場合は運任せではなく、「パー」を出すと、勝つ可能性がまだ残されているとのこと。

なぜならば、桜美林大学芳沢教授が採取した11567回のじゃんけんデータによれば、最も多く出された手が「グー」で、最も出されなかった手は「チョキ」だからだ。

確率的には、どの手も等しく33.3%ずつのはずだが、実際のデータではチョキの頻出率が31.7%、グーは35%、パーは33.3%で、グーとパーがチョキに比べ、頻出するので、パーを出せば勝てる可能性は高い、というわけだ。

したがって、大勢による勝ち抜けするじゃんけんでは、パーを出していくと、負ける可能性はかなり低くなるとのこと。

以上、じゃんけんのプロである日本じゃんけん協会が提唱している勝利の法則だ。

これらの勝利の法則を実践して、じゃんけんの手応えを実感してみよう!

■日本じゃんけん協会
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■日本じゃんけん協会 公式 @JapanRPS
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FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099