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印象に残る出来事をモチーフにした雛人形「変わり雛」【連載:アキラの着目】

毎年、人形の町・岩槻にある人形の東玉(代表取締役社長:戸塚 大介)が、印象に残る出来事をモチーフにして発表しているのが「変わり雛」だ。

この「変わり雛」、2019年5月5日まで人形の東玉の岩槻総本店にて展示中なのだが、最新の「変わり雛」は以下の通り。

1.平成の歌姫 ありがとう「安室ちゃん雛」

平成の歌姫 ありがとう「安室ちゃん雛」 変わり雛 | 埼玉・岩槻の雛人形・五月人形なら東玉(とうぎょく)HPから引用
平成の歌姫 ありがとう「安室ちゃん雛」 変わり雛 | 埼玉・岩槻の雛人形・五月人形なら東玉(とうぎょく)HPから引用

日本中から惜しまれつつ引退した安室奈美恵さんをモチーフにした「変わり雛」。

ラストツアーで着用していた衣装に近づけており、背景のハートと芸能生活26周年を意味する「26」は、LEDライトで製作されているとのこと。

2.平昌で大活躍「氷上の輝き雛」

平昌で大活躍「氷上の輝き雛」 変わり雛 | 埼玉・岩槻の雛人形・五月人形なら東玉(とうぎょく)HPから引用
平昌で大活躍「氷上の輝き雛」 変わり雛 | 埼玉・岩槻の雛人形・五月人形なら東玉(とうぎょく)HPから引用

韓国・平昌で開催された冬季オリンピックで金メダルを獲得したスピードスケート・小平奈緒選手とフィギュアスケート・羽生結弦選手の「変わり雛」。

羽生結弦選手の「変わり雛」の衣装は、フリープログラム「SEIMEI」のものを再現。

氷上をイメージした雛台で、それぞれ快挙を達成し、喜んでいる小平奈緒選手と羽生結弦選手がいる。

3.大谷 大坂 世界へ「大躍進雛」

大谷 大坂 世界へ「大躍進雛」 変わり雛 | 埼玉・岩槻の雛人形・五月人形なら東玉(とうぎょく)HPから引用
大谷 大坂 世界へ「大躍進雛」 変わり雛 | 埼玉・岩槻の雛人形・五月人形なら東玉(とうぎょく)HPから引用

ベーブ・ルース以来100年ぶりとなる二刀流でMLB(メジャー・リーグ・ベースボール)を熱狂させたロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手と、テニス全米オープンを制覇した大坂なおみ選手の「変わり雛」。

テニスコートに見立てた台と、球場と観客をイメージした背景で製作したとのこと。

4.世界の命を救え!「ノーベル賞雛」

世界の命を救え!「ノーベル賞雛」 変わり雛 | 埼玉・岩槻の雛人形・五月人形なら東玉(とうぎょく)HPから引用
世界の命を救え!「ノーベル賞雛」 変わり雛 | 埼玉・岩槻の雛人形・五月人形なら東玉(とうぎょく)HPから引用

ノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学の本庶佑(ほんじょ たすく)特別教授と妻の滋子さんの「変わり雛」。

受賞決定から一夜明けた10月2日に行った記者会見での本庶佑特別教授と、花束を持った妻の滋子さんが微笑んで喜んでいる様子を表現しているとのこと。

5.秀樹さん まる子ちゃん「ありがとう雛」

秀樹さん まる子ちゃん「ありがとう雛」 変わり雛 | 埼玉・岩槻の雛人形・五月人形なら東玉(とうぎょく)HPから引用
秀樹さん まる子ちゃん「ありがとう雛」 変わり雛 | 埼玉・岩槻の雛人形・五月人形なら東玉(とうぎょく)HPから引用

「変わり雛」にしたのは、日本中を虜にしたお二方。

1人は、NHK紅白歌合戦出場回数は18回、レコード大賞の金賞や歌唱賞を受賞するなど多くのファンを魅了してきたものの、63歳という若さで亡くなった西城秀樹さん。

もう1人は、50代で亡くなった「ちびまる子ちゃん」の原作者・さくらももこさん。

ステージに見立てたCDの盤面上に立ち踊っている西城秀樹さんは「YOUNG MAN (YMCA)」の衣装。

ちびまる子ちゃんは、秀樹さんのこれまでの活躍を労う意味で花束を渡している。

どちらも人気者同士の「変わり雛」だ。

最後に

「変わり雛」を見ていると、雛人形の定義がわからなくなるが、逆にいえば、「変わり雛」のような特異なジャンルの人形でも、雛人形として受け入れる寛容さや微笑ましさを感じる。

つまり、その時代の人気者や空気等も感じることができるのが、「変わり雛」ということだ。

年に何回も「変わり雛」が発表されないだけに、待ち遠しく思っている人もいるかもしれない。

■変わり雛 | 埼玉・岩槻の雛人形・五月人形なら東玉(とうぎょく)
https://www.tougyoku.com/event/kawari/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

日本女子団体パシュート(追い抜き)金メダル獲得の秘密【連載:アキラの着目】

平昌オリンピックで見事に金メダルを獲得した日本の女子団体パシュート・メンバー。

金メダル獲得の裏には、新たな技術革新が3つあったのだ。

1つ目は、「一糸乱れぬ隊列」、2つ目が「先頭選手の素速い交代」、そして3つ目が「エース選手を存分に起用」だ。

順番に見ていこう。

1.女子団体パシュート金メダル獲得の秘密「一糸乱れぬ隊列」

なぜ「一糸乱れぬ隊列」を実現させる必要があったのかというと、それはこんな理由からだ。

メンバー全員の隊列が一直線に揃わずに、前の選手から横に40cmずれただけでも、先頭選手と同じ風の抵抗を受けてしまうのだ。

その状態は、すなわち後ろの選手が一人で滑走するのと同じくらいの空気抵抗がかかってしまうことを意味し、各選手の体力・スタミナを消耗してしまうのだ。

そのため、空気抵抗を受けるのを極力先頭を走る選手のみにすることで、「一糸乱れぬ隊列」を実現させることになった。

この「一糸乱れぬ隊列」の実現で隊列全体としては15%の空気抵抗を減少させることができた。

また、「一糸乱れぬ隊列」を実現させることで、足や手の動きが皆シンクロし、互いの足、手がぶつかって転倒するリスクも軽減できている。

「一糸乱れぬ隊列」を実現させるために、前回のソチオリンピックから平昌オリンピックまでの4年間、ひたすら同じメンバーで滑り続け、メンバーの滑りにおける特徴や癖をそれぞれ叩き込んだのだった。

2.女子団体パシュート金メダル獲得の秘密「先頭選手の素速い交代」

団体パシュートは、先頭を滑る選手が入れ代わるため、その交代を素速く機敏に行えば、タイム短縮に繋がる。

それはちょうど陸上競技のリレーにおけるバトンの受け渡し時間をいかに短縮させるかみたいなものだが、団体パシュートでは陸上競技のリレーにおけるバトンの受け渡しよりもさらに考慮すべき点があり、時間短縮以外に体力の消耗を最小限に抑えることも必要なのだ。

通常、先頭選手の交代は、先頭選手がスピードを落とし、最後尾に回る方法を各国とも採用している。

しかし、この一連の動作、先頭選手が一旦スピードを落とし、最後尾につくと、再び隊列と同じトップスピードまで上昇させるという動作に、かなりの体力を消耗するのだ。

そこでパシュート日本女子チームが発案・実践した方法が、先頭選手は従来のようなスピードを落とすことなく、その代わりに一旦コースを大回りで膨らみ、そこから最後尾につくというものだ。

『NHK SPORTS STORY』の「女子団体パシュート 世界最速の秘密」から引用
『NHK SPORTS STORY』の「女子団体パシュート 世界最速の秘密」から引用

この方法により、先頭選手はスピードを落として、またスピードを上げて、といった体力の消耗を抑えることができ、最後まで体力を温存させることができるようになったのだ。

3.女子団体パシュート金メダル獲得の秘密「エース選手を存分に起用」

パシュート日本女子チームが3つ目に採用した戦術は、他の選手よりも体力のあるエース選手の高木美帆選手を存分に起用するというもの。

高木選手が全6周のうち3.5周を先頭で滑ることにより、他の選手の体力消耗を最小限に抑えることが可能となり、その結果、パシュート日本女子チームは、さらにタイムを縮めることができたのだ。

最後に

スポーツは、もちろん身体でやるものではあるものの、頭でもやるものであり、科学的、理論的な裏付けなしに、ただやみくもに根性だけでやる時代ではなくなってきている。

パシュート日本女子チームが今回採った戦術は、今後各国チームの分析・研究のメスが入り、戦術の拡散化も始まることだろう。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099