筆者が小学生の頃に友人と一緒に集めていたのが、酒蓋だ。
近所の酒屋の裏に回り込み、空の一升瓶に栓をされた酒蓋を1つ1つ手で抜いては袋に入れていった。
なぜ無用の長物である酒蓋を収集していたのかというと、様々なバリエーションに富んだデザインの酒蓋を見るのが単純に面白かったからだ。
子供なので日本酒そのものの味も銘柄も産地も知らないけれども、酒蓋には強く興味を惹かれたのだった。
しかし、酒蓋収集の時期はそんなに続かずに、中学生、高校生、大学生、社会人となり、現在に至っているのだが、世の中には現在も酒蓋を収集している人たちがいるのだから驚きだ。
酒蓋収集といっても、日本酒の種類・数だけ存在するのは言うまでもない。
全国には2,000余にのぼる日本酒の酒造会社が存在しており、酒造会社だけでこれだけの数なのだから、日本酒の銘柄ともなれば、この倍以上の数が確実に存在するはずだ。
「はずだ」と推量の形で語っているのは、正式な酒蓋の種類数を誰も知らないからだ。
文末最後に紹介する酒蓋マニアさんたちのサイトURLを紹介するが、その酒蓋マニアの1人が子供の頃から酒蓋を集め始め、「一升瓶にこだわった王冠(酒蓋)は4300種を超えました」と自身のサイト上で語っているのだから、全体数など知る由もない。
誰も酒蓋の種類数を把握したことが一切ない、未知の領域が広い世界なのだ。
酒蓋収集の仕方も、前述した筆者のような酒屋のバックヤードに回り込んで、というのではなく、どこそこに美味い地酒があると聴けば、美味い酒を目指しながら、同時に酒蓋もゲットする、という実に真面目で地道な収集方法だったりするのだ。
酒蓋マニアの中でも一升瓶の栓に使用されている酒蓋を収集する王道タイプの酒蓋マニアがいる一方で、スクリューキャップの酒蓋を収集する酒蓋マニアもいたりする。
これはなぜかというと、スクリューキャップの酒蓋を収集する酒蓋マニアは、一升瓶の日本酒を購入しないからだ。
また、一升瓶の酒蓋を収集するマニアは数多く存在するが、スクリューキャップの酒蓋を収集する酒蓋マニアは極少数なので、他の酒蓋マニアとの差別化を図るため、あえてスクリューキャップの酒蓋にこだわっている場合もあるのだとか。
そんな酒蓋には大別すると2種類に分かれ、一升瓶の口に押し込むタイプ(凸型)と、一升瓶の口を覆うタイプ(凹型)があるとのこと。
凸型の基部にはラベルが付いており、製造法によって銀色と金色の酒蓋に分かれているともいわれている。
とにかく、大抵の日本国民が見向きもしない酒蓋をこよなく愛し、収集している酒蓋マニアがいるということは、今回のニッポンニュースでおわかりになったことかと。
■酒王冠(ふた)コレクション
http://web1.kcn.jp/km1_sakecollection/
■2H-酒蓋収集ブログ-/ウェブリブログ
https://kokohazi.at.webry.info/
■酒ぶたコレクション
http://sakebuta.blog.shinobi.jp/
■万酒蓋録 | 各地の酒蓋(主にスクリューキャップ)を坦々と集めるブログ。
https://banshugairoku.wordpress.com/