将棋の藤井聡太王位・棋聖(19歳)が9月13日、将棋の8大タイトル戦のうちの1つである叡王戦五番勝負の最終第5局で豊島将之叡王(竜王・31歳)に111手で勝利した。
この結果、叡王戦シリーズでは3勝2敗の成績を上げ、先に3勝したことで「叡王」のタイトルを獲得した。
「叡王」の獲得で藤井聡太二冠は三冠となり、史上最年少19歳1ヵ月での達成だ。
従来の最年少三冠達成記録は、1993年に羽生善治九段(50)が持つ22歳3ヵ月で、これを大きく3歳も上回った。
これで藤井聡太三冠は渡辺明名人(棋王、王将・37歳)と並び、最多の三冠保持者となった。
その三冠を決めた対局は藤井聡太二冠の先手番で始まり、またもや相掛かりという戦法に。
比較的早いペースで局面が進むが、やがて序中盤ともじっくりとした展開となった。
その後、藤井聡太二冠が着実に優勢を築き、双方とも残り時間が1分で秒読みに追われる最終盤へと進む。
さすがに棋士でも1分の秒読みに追われると、なかなか最善手を読み切るのは難しいものだが、そんな状況でも藤井聡太二冠は解説していた棋士も唸る「9七桂」を着手、ついに豊島叡王を降したのだった。
通算対戦成績で1勝6敗と大きく負け越していた豊島将之二冠には、いざ蓋を開けてみたら、本局を含めて今年度だけで7勝3敗(王位戦4勝1敗、叡王戦3勝2敗)と大きく勝ち越していた藤井聡太二冠。
10月からは将棋界最高峰のタイトル「竜王」をかけた七番勝負が開幕する。
相手はこの度対局した豊島将之竜王だ。
もしこの竜王も獲得すると、史上最年少の四冠達成となり、その他の棋戦でも勝ち続ければ、今年度中に渡辺名人が保持する王将、棋王への挑戦も可能となり、全て奪取すれば六冠達成となる。
10代での六冠達成を将棋ファンは待ち望んでいることだろう。