新型コロナウイルスの感染拡大により、やれアビガンが効く、レムデシビルも効く、等の議論が春先から沸騰している。
現代では、こうした、西洋医学に基づいた抗生物質が治療薬として服用されたり、投与されたりするのがすでに当たり前となっているが、抗生物質は、効き目が速いという利点があるものの、中には副作用がある薬もあったり、長期間の服用により内臓疾患をきたす薬もあったりで、決して万能とは言い難い。
だからだろうか、対極にある、体にやさしい和漢の生薬が見直されるようになってきた。
そうした追い風を受けて、中心になって舵取りをする団体が、日本漢方生薬ソムリエ協会だ。
日本漢方生薬ソムリエ協会は、和漢の生薬に携わる人の知識レベルを確保し、それに当たることのできるリーダーを養成することを主目的としている。
日本漢方生薬ソムリエ協会の任務は、和漢の生薬に関する知識を豊富に有している人に「漢方生薬ソムリエ」の資格を与えて、その「漢方生薬ソムリエ」と共に知識の向上を目指すことだ。
各大学や漢方を専門とする医療機関、生薬、漢方製剤の製造販売会社等に「漢方生薬ソムリエ」がいれば、業界全体のレベル向上と活性化をはかることが可能になるだろう。
また、薬学生、大学院生が在学中に「漢方生薬ソムリエ」を取得すれば、生薬/和漢薬業界への就職が有利にはたらくことは間違いない。
ただし、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、8月23日の「漢方生薬ソムリエ」試験が中止になっており、試験を受けたい人は、今後の動向を公式HPで随時確認しよう。
過去の学問のようにみなされがちな和漢の生薬だが、実はまだまだ役割をまっとうできる存在なのだ。
■日本漢方生薬ソムリエ協会
https://www.kampo-sommelier.jp/