平安神宮の鳥居のような赤色と、顔をしかめてしまう程の酸味が特徴の「梅ジャム」
おじさん・おばさん世代にとっては非常に馴染み深い駄菓子の「梅ジャム」。
その名の通り、梅肉を水で延べて、小麦粉を混ぜ、煮詰めた「梅ジャム」は、納豆のタレ袋のような透明の小袋に入れられており、京都の平安神宮の鳥居のような赤色(紅色)が特徴として挙げられる。
また、色以外の特徴としては、ちょっと舐めただけでも、思わず顔をしかめてしまう程の酸味も挙げられよう。
そんな「梅ジャム」だからゆえに、単品で食べるのはかなりキツく、「梅ジャム」を、これまた駄菓子で定番の「ソースせんべい」の表面に塗りたくって食べるのが当時の子供たちの常識であった。
「梅ジャム」は生産中止となり、流通在庫のみとなった
昨年末、駄菓子業界に激震が走る。
「梅ジャム」を下町の一角にある工場で1947年からたった1人で生産してきた高林博文さん(87歳・東京都荒川区)は、体調の悪化や販売不振のため、昨年12月20日をもって「梅ジャム」の生産を終了、現在「梅ジャム」は流通在庫のみとなってしまった。
実際、2018年4月1日現在のヤフー!オークションで「梅ジャム」と検索すると、かなりの数の「梅ジャム」が出品されている。
ただし、レトロ玩具やフィギュア、骨董品とは異なり、賞味期限がある食品であることから、こうしたオークションサイトに出品された「梅ジャム」は次第に姿を消してゆくことになるのは時間の問題だ。
2018年中ならば、賞味期限内だが、来年以降になると、もう「梅ジャム」を味わうことはできなくなるのかもしれない。
どこの駄菓子屋でも潤沢にあった頃は、希少価値を見い出せなかった「梅ジャム」だが、今は最後の煌めきを放っている状況ともいえよう。