「企業寿命30年説」とは?
「企業寿命30年説」をご存知だろうか?
ある程度の年齢を重ねた方々ならご存知かと思われるが、よく知らない方のためにこの「企業寿命30年説」を簡単に説明すると…。
今から約20年前に経済週刊誌『日経ビジネス』が、明治以来100年におよぶ上位100社のランキングを作成し、そのランキングを分析したところ、「現存する企業が、30年後に存在する確率は5%である」という結果が導き出された。
つまり、企業の平均寿命はわずか30年に過ぎないというその説を「企業寿命30年説」というのだ。
この「企業寿命30年説」は、どんなに歴史のある名門企業や大企業であっても、時代や環境の変化に適応し進化し続けていかなければ、生き残ることはできないことを示唆している。
具体的には、技術革新等でビジネスモデルが古くなり、次なる新たなビジネスモデルに転換できないと、時代についていけずに取り残され、企業寿命が尽きてしまう、といったことだ。
若かりし頃はハングリー精神やバイタリティーが旺盛だった経営者も、歳を重ねると、ハングリー精神やバイタリティーが下降して企業家精神を失ってしまい、それが経営の傾きに影響してしまうケースもあるだろう。
常に現在置かれた状況を察知し、新たな成長分野へと潔く乗り換え、常に勢いのある事業を主軸に据えて変化できる企業は生き残っていくのだが、その見極めができるのならば、どの企業も没落などしない。
言うのは簡単、実行するのは難しいのだ。
発表されてから約20年が経過しても、「企業寿命30年説」はまだまだ健在で、通用しているようだ。
学生は「企業寿命30年説」を就職活動の検討材料として加味していない
だが、就職活動をする学生からすれば、30年後まで待っていられないので、今現在発展中の企業に就職したいと考えるのは当然のことだ。
よって「就職人気企業ランキング」に挙げられる企業は、今飛ぶ鳥を落とす勢いの企業ばかりとなる。
学生は「企業寿命30年説」を就職活動における検討材料としてほとんど加味していないのだ。
「企業寿命30年説」も頭の隅に入れながら、就職活動をすべき
確かに過去30年の「就職人気企業ランキング」を見ると、当時勢いのあった日本電気、ソニーといったメーカーや、商社系、銀行系、等々が主流になっていた。
しかし、メーカー系、商社系、銀行系の企業が2017年現在、勢いがあるかといわれたら、あるとは決していえない状況だ。
家電メーカー大手の東芝が業績を大きく傾かせてしまったのは記憶に新しいし、バブル崩壊後の銀行・証券企業の低迷ぶりも同様だ。
やはり、そうした轍を踏まぬためにも、今発展中の企業にアプローチするのと並行して、30年後も元気な企業、あるいは30年後には今よりも伸びている産業や企業を見つけ、就職活動のアプローチをするのが、実際に就職した後に定年間近でうろたえないことになるのではないかと思われる。
今後就職活動をする学生は、多少なりとも参考になればと思う次第だ。