大抵の日本の町・村で見かけるお地蔵さん。
お地蔵さんと庶民の距離は昔からかなり近く、信仰の対象であった。
信仰の対象であったから、お地蔵さんは地域住民から手厚く保護され、お地蔵さんは赤い服を着せてもらったりしていた。
現在でもそうした光景は、頻繁に見るものの、年々地域住民も高齢化し、お地蔵さんの服を新調するサイクルが長くなったりしているようだ。
そうなると、真紅の綺麗な服も、時が経つにつれ、薄茶けたボロ布の服に劣化していたりで、みすぼらしいお地蔵さんを見てしまうことになる。
そんな状況を実際に目のあたりにし、憂いて、地蔵服を作るようになったのが、地蔵服マニア&デザイナーの木本マユさんだ。
NHK G放送『さし旅』(1月12日放送回「仏像マニアと巡る新春!御利益ツアー」)の後半に、地蔵服をフィッティングする木本さんの姿が映し出され、地蔵服マニア、地蔵服デザイナーの存在を世間に知らしめたのだった。
これまでに「地蔵服マニア」、「地蔵服デザイナー」という存在がおそらく皆無だったであろうし、筆者自身、この2つのネーミングの響きを聴いたことがなかったものだから、かなり衝撃を受けた。
では、その先日放送された、木本さん出演回の『さし旅』を観てみよう。
22’46″から地蔵服マニア&デザイナーの木本さんがご登場だ。
■NHK G放送『さし旅』(1月12日放送回「仏像マニアと巡る新春!御利益ツアー」)
お地蔵さんといえば仏教だから、地味な地蔵服なのかと思いきや、結構ポップな色使いで、普段お地蔵さんの存在に気づかない人でも気づけるような存在感のある色彩の地蔵服だ。
派手過ぎず、でもカラフルな地蔵服によってお地蔵さんも気持ちが良いだろうし、木本さん自身も仏教に貢献しているのでご利益があるだろうし、地域住民も気分が明るくなって、さらにお地蔵さんを信仰する人も増えるかもしれない。
お地蔵さんの服を新調することで、様々なことが好転し、遠くの下手なパワースポットにわざわざ行くよりもプラス効果があるように思った次第だ。
こうした地蔵服への取り組みは、日本の隅々にまで拡散することを期待する。
■グラフィックデザイナー・地蔵服 木本マユ – グラフィックデザイナー・地蔵服・お地蔵さんの服
http://kimotomayu.jp/
■【ハンドメイド作家インタビュー】地蔵服デザイナー・クロッシェ(かぎ針編み)作家 木本マユさん – Handful[ハンドフル]
https://www.handful.jp/curation/25781
■さし旅 – NHK 過去の放送 1月12日放送回「仏像マニアと巡る新春!御利益ツアー」
http://www4.nhk.or.jp/P4386/