天竺(現インド)のチャトランガが起源で、その後中国、朝鮮半島を経由して日本に伝えられた将棋。
伝承されてから現在までの約400年間、戦法や定跡(将棋において最善とされる決まった指し方)こそ変われど、基本ルールは変わらなかった日本の将棋だが、平成30年の現在、従来の将棋とは明らかにルールを異にする将棋が人気上昇中だ。
その将棋が「四神将棋(しじんしょうぎ)」だ。
この四神将棋、その名の通り4人で指す以外は、基本的には従来の将棋ルールに則っているのだが、対戦相手が4人になることで局面が複雑化し、プロ棋士でも読み間違えたり、読み落としたり、等々、ハプニングが起こりやすい。
また、四神将棋は未知の局面や展開が生まれやすく、指す方も観る方もハラハラ・ドキドキでかなり楽しめる。
四神将棋の対局は、BSフジにて不定期で放送され、これまでに男性プロ棋士だけの対局や、女流プロ棋士だけの対局、また芸能人・著名人と女流プロ棋士を混じえた対局が組まれた。
従来の将棋では、アマチュアがプロ棋士に勝つのは容易ではなく、相撲同様に実力差のある世界といわれているのだが、この四神将棋だと、歴史が浅く、戦法や定跡がまだ確立されていないことや、前述したようにプロ棋士でも見落としやすいため、4人中、最初にプロ棋士が敗退してしまう番狂わせも頻繁に起こっている。
4人同時で戦い、多面的になるので、場合によっては「1対3」、あるいは「2対2」、もしくは「3対1」という局面も頻繁に起こりうるので、いかに「同盟」を結び、他の3人の集中砲火を浴びずに、上手く最後まで生き延びるかという戦略が必要だ。
以下の動画は、女流プロ棋士の山口恵梨子女流二段が、気象予報士・森田正光さん(将棋アマ三段)、お笑いコンビ・野性爆弾のくっきーさん、元ボクシング王者・内藤大助さんと対局し、その対局者4人の中で最初に王様を詰まされ、負かされてしまうものだ(15分18秒付近で王様を詰まされる)。
まだまだ、発展途上の四神将棋だが、一般社団法人日本四人将棋連盟もあり、四人将棋のプロも養成しているので、今後ますます目が離せない注目の将棋だ。
将来的には、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの藤井七段にも四神将棋にチャレンジしてもらいたいものだ。
■『四神将棋』|BSフジ
http://www.bsfuji.tv/shijinnsyougi04/pub/
■一般社団法人日本四人将棋連盟
https://www.yoninshogi.com/