古今東西で遊ばれてきたお手玉。
幼い頃に何個かのお手玉を手でゆりあげて(上にあげて)、遊んだ人も多いはずだ。
お手玉の歴史は古く、一説には、紀元前5世紀にリディア人によってお手玉は発明されたそうだ。
お手玉の遊び方は、大きく二つに分けられる。
1つは、『振り技』(ゆり玉)といって、何個かのお手玉を手でゆり上げて(上にあげて)遊ぶ方法。
もう1つは、『拾い技』(よせ玉)といわれるもので、奇数のお手玉を床に撒き、そのうちの(親玉)をゆり上げながら、残りのお手玉を寄せ集めたり、手でつくったトンネルを潜らせたりする遊び方。
ギリシャにもたらされた世界最古のお手玉遊び「アストラガリ」は後者の「拾い技」だといわれており、羊の距骨(踵の骨)を使って遊んでいたようだ。
この羊の距骨を使ったお手玉遊びは、やがてシルクロードを経由し、天竺(インド)や中国にも伝えられたが、アジアでは羊の距骨の代わりとして身近にある小石を使うようになり、「石なご」という遊びになったのだとか。
そんな古(いにしえ)からあるお手玉だが、日本では平成4年9月に「第1回全国お手玉遊び大会」が開催され、同時に「日本のお手玉の会」が発足された。
「日本のお手玉の会」本部は愛媛県新居浜市にあり、東京ではないのだ。
筆者のような素人からすると、お手玉はてっきり「個人競技」かと思いきや、「個人競技」と「団体競技」があるのだ。
個人競技の種目は以下の通り。
・片手2個ゆり:右手または左手で2個のお手玉をゆる。
・両手3個ゆり:両方の手で3個のお手玉をゆる。この場合、右手または左手のどちらか一方から投げ上げる。
・ジャグリング:3個のお手玉を両方の手から交互に投げ上げながらゆる。
・片手3個ゆり:右手または左手で3個のお手玉をゆる。
・両手4個ゆり:両方の手で4個のお手玉をゆる。この場合、右手または左手のどちらか一方から投げ上げる。
・両手5個ゆり:両方の手で5個のお手玉をゆる。この場合、右手または左手のどちらか一方から投げ上げる。
・両手6個ゆり:両方の手で6個のお手玉をゆる。この場合、右手または左手のどちらか一方から投げ上げる。
・両手7個ゆり:両方の手で7個のお手玉をゆる。この場合、右手または左手のどちらか一方から投げ上げる。
また、「日本のお手玉の会」では、お手玉段位認定審査を実施しており、初段から六段までの段位が存在する。
「日本のお手玉の会」の会員だけがお手玉段位認定審査を受けることができるので、「日本のお手玉の会」に入会することが必須だ。
審査の基準は段位毎に分かれ、以下の通り。
・初段:「両手で2個ゆり」 を20秒以上続ける。
・二段:「片手で2個ゆり」 を15秒以上続ける。
・三段:「両手で3個ゆり」 を20秒以上続ける。
・四段:「両手で4個ゆり」 を15秒以上続ける。
・五段:「片手で3個ゆり」 を15秒以上続ける。
・六段:五段までの技が全て完全にできることのほか、「両手投げ3個ゆり」・「両手3個ゆり下掛け」・「片手2個ゆり手の平返し」 がそれぞれ15秒以上連続してできること。
おばあさんが昔とった杵柄で、ホイホイとお手玉を幾つも見事にジャグリングしているのを見たことがあるが、意外と年配の方のほうがお手玉を上手にできるのかもしれない。
と言いつつも、若い人も興味があれば、ぜひ挑戦してみては?
■日本のお手玉の会
http://www.otedama.jp/