全日本卓球選手権大会最終日(1月21日東京体育館)男子シングルス決勝で、張本智和選手(14・エリートアカデミー)が、水谷隼選手(28・木下グループ)を4対2のスコア(11-9、11-5、8-11、11-2、6-11、11-5)で撃破、史上最年少王者の誕生となった。
水谷隼選手が「今日の彼(=張本智和選手)が100%の力だったなら、誰がやっても勝てない」と語ったのに対し、張本智和選手は「相手が水谷さんだったので120%の力が出た」と語り、両者ともに「%」を遣った語り口なのは実に興味深かった。
しかしながら、なぜ張本智和選手は全日本選手権制覇という偉業を達成できたのか?
それは、習得力の早さと、積極的に学ぶ姿勢、そして並外れた負けん気が張本智和選手にあるからだ。
「先生、コーチから言われたことをさらに上のレベルで考える」、「何でも優勝しないと気が済まない」という姿勢が、全日本選手権を制覇する原動力となったのだ。
その結果、「あの時に比べて戦術は成長しているし、凡ミスも少なく、ボールの威力も上がった。数倍強くなっている」(水谷隼選手談)のだ。
張本智和は現状に飽き足らず、さらにもう一段上のフォアハンドを目指すことを宣言、今春の世界選手権団体戦、2年後の東京五輪を照準に合わせた。
今後も会場に響き渡る“チョレイ”を聴けそうだ。
日本卓球界は理想的な世代交代、新陳代謝ができているのかもしれない。