ブラック校則は反則ではないか【連載:アキラの着目】

最近は「ブラック」という言葉がやたらとメディアを賑わせ、「ブラック企業」、「ブラック会社」、「ブラック職場」などといった使われ方が多く見受けられるようになった。

今回取り上げる「ブラック校則」も前述の「ブラック企業」同様にイリーガルな校則を指し、児童・生徒の健康や尊厳を損なうような、近代的な市民社会では許容されぬような理不尽な学校内のルールをいう。

具体的な事例を挙げると、ポニーテール禁止、頭髪の色や長さ、地毛証明、指定理髪店以外の散髪禁止、色物下着の禁止、異性と一緒の歩行禁止、等々だ。

お父さんであろうとも、異性と一緒に二人きりで歩いてはいけない、といった女子校も存在するのだ。

つい最近では、「ブラック校則」に関するニュースが話題となったばかりで、以下のような事件があった。

生まれつき地毛の色素が薄いにもかかわらず、学校から黒髪にするように強要されたことを精神的苦痛に感じてしまい、不登校になってしまった大阪府立高校生徒が、大阪府に対し損害賠償請求を行ったという事件だ。

こうなると、完全に「ブラック校則」は反則ではないか。

この事件は決して特異な事例ではなく、全国至るところで起こり得るものなのだ。

というのも、2017年4月の朝日新聞による調査報道で、全都立高校のうちの約6割の高校が、反則の頭髪染めやパーマでないことを確認する目的で、一部生徒に「地毛証明書」を提出させていることが判明している。

かなりの割合を占める都立高校において「ブラック校則」を実施しているのだから、大阪の事件のようなことが起きても不思議ではないのだ。

そもそも法や規則、ルールというものは、様々な人々の存在する社会において、その多様性や個性を尊重し、個人の尊厳を守るためにあるものだ。

したがって、法や規則、ルールを制定することは、社会秩序を守ることそれ自体が目的ではなく、法や規則、ルールを制定するという手段によって、各個人個人の権利を守るものとなる。

しかし現実には、合理性が認められぬ法や規則、ルールが存在し続け、「ルールはルールなのだから」として個人に対し不当な抑圧や排除をして、場合によってはペナルティを課すというような事態も起こり得るのだ。

今後も少子化が続くことから、児童・生徒は、より良い学校に通いたいという欲求のもと、学校はますます選んでもらうための環境づくりに、いやでも躍起になる時代が来るであろう。

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FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099