掃除機は便利なようで便利でない。
そんなふうに思う人もいるはずだ。
というのも、まず掃除機の電源コードをコンセントに差し込まなければならない。
調子よく掃除していると、コードが伸び切って、別の近いコンセントに差し替えねばならない。
掃除機の音がうるさい。
なので、筆者は掃除機よりも立派な座敷箒を買いたかったのだ。
それで足を運んだのが、東京・京橋に店を構える江戸箒の老舗・白木屋傳兵衛(しろきやでんべえ)商店(天保元年[1830年]創業)だ。
江戸箒は、江戸時代から、それも江戸の町で作られ、使われたことからその名が付いた。
江戸箒には江戸箒にしかない特色があり、「軽さ」、「コシ」、「シンプルな装飾(編み上げ)」の3点だ。
日々使うものだから箒は軽くなくてはいけない。
また、ゴミ・塵を掃いた際に、箒の先が靭やかに戻る「コシ」がなくてはいけない。
軽い箒にするには、複雑な編上げではなく、至ってシンプルなものにしなければいけない。
そのため、機械やセンサー、AIによる原料の判別はできないので、職人の目や手の感触によるホウキモロコシ1本1本の草を選り分ける作業が肝になってくるのだ。
ちなみに原料のホウキモロコシは、安定確保の観点から、筑波在住の農家に指導を仰ぎ、職人・社員一同がホウキモロコシ栽培の技術継承・維持・継続に努めているとのこと。
そうした地道な努力や作業でできた江戸箒は靭やかで、手首の負担や疲労度が軽減されるのだ。
江戸箒の職人さんは、江戸箒を「芸術品」として扱うことには抵抗がある、とのこと。
「使われてナンボ」、「消耗品だから」、「生活に根ざした道具(モノ)だから」芸術品ではないとの主張なのだ。
「だからといって粗末に扱ってほしくない。丁寧に扱ってほしい。長持ちもする物だし」。
そう言われる職人さんも現在はただ1人となってしまった。
江戸箒作りの後継者が出てくることを望むばかりだ。
【江戸箒老舗 白木屋傳兵衛 詳細】
・所在地:東京都中央区京橋3-9-8 白伝ビル1F
・アクセス:都営地下鉄浅草線「宝町」駅A3出口、東京メトロ銀座線「京橋」駅2番出口
・問合せ:TEL 0120-375389(ミナゴミハク)※フリーダイヤル
03-3563-1771
FAX 03-3562-5516
MAIL info@edohouki.com
・営業時間:月~土祝10:00~19:00 日曜休
■江戸箒(江戸ほうき)老舗|白木屋傳兵衛
https://www.edohouki.com/
■そばに置いておきたい掃除道具 | 掃印(そうじるし)
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