終戦から72年を迎えた今日8月15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京九段の日本武道館で開催された。
追悼式には、全国の遺族約5千人と衆参両院議長らが参列、正午過ぎに参列者が約1分間の黙祷を捧げた。
遺族代表の福岡県豊前市在住・渡辺一さん(83)が「戦争の悲惨さと平和の尊さを次の世代に伝え、二度と戦争をしない日本と国際社会の建設に向かって邁進する」と述べた。
戦死した軍人・軍属約230万人、空襲や広島・長崎の原爆投下・沖縄戦等で死亡した民間人約80万人の合計約310万人を悼み、参列者は平和への誓いを新たにした。
天皇陛下は皇后さまとご一緒に参列され、3年連続で「深い反省とともに、戦争の惨禍が繰り返されないことを切に願う」との表現が盛り込まれたお言葉を読み上げられた。
■天皇陛下お言葉・全文
本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、先の大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たに致します。
終戦以来既に72年、国民のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、苦難に満ちた往時を偲ぶ時、感慨は今なお尽きることがありません。
ここに過去を顧み、深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対して、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。