やはり注目度高い!リニア中央新幹線関連株【連載:アキラの着目】

建設関連でも群を抜くビッグプロジェクト、リニア中央新幹線

様々な注目分野の銘柄がある中、やはり最も注目したい分野の銘柄の1つがリニア中央新幹線だ。

2027年に東京・名古屋間の先行開業、2045年に大阪までの全線開業の予定。

しかし、最近3兆円融資が決定した結果、最大で8年工期が短縮することが可能だと発表され、さらにリニア中央新幹線に注目が集まっている。

この工期短縮計画の背景には、現在の海側を通る東海道新幹線では、東海大地震等により大打撃を受けるリスクがあるため、そのリスク回避輸送網としての役割を1日でも早く担うように期待されていることが挙げられよう。

そのリニア中央新幹線について、今一度ここで概要を述べてみる。

リニア中央新幹線とは、東京・大阪間を最速67分で結ぶ新幹線の整備計画路線で、総工費約5兆5,000億円、周辺企業への経済波及効果も含め、建設関連でも群を抜くビッグプロジェクト。

東海道新幹線よりも山側を通るため、トンネルもかなり多くなるといわれ、そのため様々な建設技術を駆使した工事を行わなければならないのが、ビッグプロジェクトたる所以だ。

したがって、リニア中央新幹線の建設に関わる企業は多く、関連銘柄も多いのだ。

このリニア中央新幹線の恩恵をあずかれそうな関連銘柄は以下の企業といわれている。

新ハイテク技術満載のリニア中央新幹線

リニア中央新幹線は従来の鉄道とは異なり、超電導磁石の力で車両を浮上走行させるので、リニア中央新幹線専用車両を製造する必要がある。

このリニア中央新幹線専用車両の製造を担当しているのが、日本車輌製造<7102>と三菱重工業<7011>の2社だ。

日本車輌製造は、株式の50.1%を保有するJR東海の子会社であり、東海道・山陽新幹線のN700系車両の製造も担当。

日本唯一の浮上式リニアとして愛知県で営業運転をしているリニア用車両の製造も請け負っていることから、今後の試験用車両や営業用車両も、日本車輌製造がメインで請け負うのは間違いないとみられている。

リニア中央新幹線の心臓部となる超電導磁石は、東芝<6502>が1999年からJR東海と共同開発をしており、既に実験車両に搭載し、実験を行っている。

車両の推進に使うために地上に設置された電磁石コイルも東芝の製造で、既に山梨県のリニア実験線での設置実績があり、今後の路線建設時にも採用される可能性が高い。

他には、航空機用内装部品メーカー・ジャムコ<7408>は、リニア中央新幹線専用車両の浮上装置構体部の製造を担当。

リニア中央新幹線が東京・名古屋間に開通する際は、約290kmの距離に渡る電磁石コイルを設置し、全営業車両に浮上装置を設置しなくてはならないため、1社だけではなく数社が電磁石コイルの製造を請け負うことが予想される。

その数社のうちで産業用リニアモーターでの実績があり、従来の新幹線車両や鉄道車両の製造に注力している日立製作所<6501>も有力な発注先とみられている。

また、モーターや制御装置といった鉄道用電装品製造で実績のある東洋電機製造<6505>も、リニアモーターや新幹線用主電動機(モーター)、補助電源装置での実績があることから、リニア中央新幹線専用車両の製造を請け負う可能性があるとみられている。

トンネルが多いリニア中央新幹線は、実績あるゼネコンに発注か!?

リニア中央新幹線のルートは、東京と名古屋の都心部は大深度にトンネルを掘り、途中区間の南アルプスは長大トンネルで貫通し、直進する予定になっている。

これらのトンネル採掘技術で実績のあるゼネコンもリニア中央新幹線関連銘柄として挙げられよう。

高い技術力を活かして60mの海底への沈埋トンネルを敷設し、トルコのボスポラス海峡地下鉄トンネル工事を担当した大成建設<1801>、北陸新幹線の長野・金沢間で最長を誇る飯山トンネル(全長22.251km)の建設を担当した大林組<1802>、現在、名古屋駅で建設中の高層ビル・JRゲートタワーの建設を入札した鹿島<1812>、以上のゼネコン企業が、リニア中央新幹線関連の建設工事を担当するのではと有力視されている。

品川・名古屋駅周辺のオフィスビル所有企業もリニア中央新幹線関連銘柄か!?

リニア中央新幹線は、品川・名古屋間を約40分で結ぶ予定だ。

ゆえに両駅間が通勤圏になることが考えられ、品川駅、名古屋駅周辺にそれぞれにオフィスビルを所有する企業も、地価や賃料の上昇による恩恵にあずかることが予想される。

三菱地所<8802>は、品川駅に隣接する港南地区にオフィスビル「品川クリスタルスクエア」を所有、それ以外にも名古屋駅前の「大名古屋ビルヂング」も所有している。

名古屋駅周辺に百貨店や商業施設を多く所有する名古屋鉄道<9048>も、従来の商業施設に加え、オフィスやレジデンスも含めた再開発をリニア中央新幹線の開業する2027年までに行う方針を発表している。

リニア中央新幹線の技術輸出を画策する総合商社も狙い目か!?

安倍内閣はインフラ輸出の一環として、リニア中央新幹線技術に代表される高速鉄道技術を一体として海外へ輸出しようと計画している。

その計画を推進するために設立されたのが、IHRA(一般社団法人国際高速鉄道協会)だ。

IRHA事務局はJR東海の担当で、リニア中央新幹線を建設・運営するJR東海が、高速鉄道技術の海外輸出推進に主導的な役割を担っているとみられている。

このIRHAの正会員に名を連ねているのが三菱商事<8058>、三井物産<8031>、住友商事<8053>、丸紅<8002>といった総合商社だ。

リニア中央新幹線の技術が海外へ輸出することになれば、前述の総合商社もリニア関連銘柄として名前が上がることになるだろう。

リニアモーターカー

*当記事は、一般情報の提供を目的としており、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。(FJ時事新聞編集部)

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