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「懐かしい!」はおじさん&おばさん、「珍しい!」は若い人、ポリ茶瓶【連載:アキラの着目】

現代は、ペットボトルが全盛の時代。

一部のアルコール飲料以外の飲料は、ほぼペットボトルだ。

持ち運びやすさ、蓋付きでこぼれない、ある程度の量を飲むことができる、等々のメリットがあることから、すっかり我々の日常生活にペットボトルは定着した。

駅のホームで購入するお茶も今では完全にペットボトルのお茶が当たり前だ。

ペットボトル出現以前における駅売りのお茶は、何に入れていたのかというと、ポリ茶瓶と呼ばれる容器に入れられていた。

旅の楽しみ・・ポリ茶瓶をやめない訳 | 伊豆・伊東温泉 名物いなり・弁当・駅弁の祇園社長ブログから引用
旅の楽しみ・・ポリ茶瓶をやめない訳 | 伊豆・伊東温泉 名物いなり・弁当・駅弁の祇園社長ブログから引用

熱湯でいっぱいに注がれ、緑茶のティーバッグが入れられたポリエチレンの容器は、一応申し訳程度に付いている蓋をコップ代わりにしてポリ茶瓶のお茶を飲むのが昭和の時代だった。

ゆえに、このポリ茶瓶を見て「懐かしい!」と思うのはほぼおじさん&おばさんで、「珍しい!」と思うのは若い人とハッキリ分かれるくらいに、世代間の指標にもなる。

筆者も子供の頃は、駅で購入するお茶といったら、100%このポリ茶瓶のお茶だった。

なので、現在もこのポリ茶瓶のお茶が販売されているのならば、ぜひ購入したいと思っていたら、実際に販売されているから、まさかの展開だ。

そのポリ茶瓶のお茶を販売しているのが、JR伊東駅前にある、いなり寿しで有名のお弁当屋さん「祇園」だ。

そもそもなぜ伊東の祇園さんが、この昭和のレトロ臭漂うポリ茶瓶のお茶を販売しているのかというと、ティーバッグとはいえ淹れたての伊東産ぐり茶が美味しいこと、また、何よりも旅の風情があること、以上の理由からポリ茶瓶のお茶を販売しているのだそうだ。

懐かしさや物珍しさでポリ茶瓶のお茶を購入する人は確かにいるが、採算ベースでいうと、あまり売れていないのだとか。

それでも継続的にポリ茶瓶のお茶を販売するのは、ポリ茶瓶のお茶にはペットボトルのお茶とは異なり、前述した風情があるため、これを残してゆきたいという思いがあるからなのだとか。

この伊東の祇園さん意外では、2019年01月11日掲載ニッポンニュースで取り上げた道の駅「お茶の京都 みなみやましろ村」(2019年01月11日掲載ニッポンニュース 道の駅「お茶の京都 みなみやましろ村」の『村茶屋』茶たれ~団子【連載:アキラの着目】)でも不定期ではあるが、ポリ茶瓶のお茶を販売している。

道の駅「お茶の京都 みなみやましろ村」HPから引用
道の駅「お茶の京都 みなみやましろ村」HPから引用

工場で画一的に製造されたペットボトルのお茶よりは、ポリ茶瓶のお茶の方が美味しいだろうし、健康的だし、茶瓶から蓋のコップに注いで移し変える楽しさもあるし、懐かしさを味わえる。

伊東まで行ってられないというせっかちな人は、↓のYahoo!ショッピングのサイトにアクセスし、ポリ茶瓶のお茶を注文してみよう。

ポリ茶瓶に入った緑茶セット 電車DEおべんとう5個セット 旅行のお供やプレゼントに。懐かしの駅弁気分 :ys-ddo02:CHA・Oヤフー店 - 通販 - Yahoo!ショッピング から引用
ポリ茶瓶に入った緑茶セット 電車DEおべんとう5個セット 旅行のお供やプレゼントに。懐かしの駅弁気分 :ys-ddo02:CHA・Oヤフー店 – 通販 – Yahoo!ショッピング から引用

■茶瓶販売中@伊東駅:株式会社祇園
http://gion.ekiben.or.jp/news/2010/11/001430.html

■ポリ茶瓶に入った緑茶セット 電車DEおべんとう5個セット 旅行のお供やプレゼントに。懐かしの駅弁気分 :ys-ddo02:CHA・Oヤフー店 – 通販 – Yahoo!ショッピング
https://store.shopping.yahoo.co.jp/chao-chao/ys-ddo02.html?sc_e=slga_pla#ItemInfo

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

昭和レトロ好きは全員集合!「第8回昭和レトロ市」(東京都中央区)【連載:アキラの着目】

今年3月で8回目の開催を迎える「昭和レトロ市」。

今回から開催会場が変わり、日本橋人形町に程近い綿商会館にて昭和レトロな調度品、小間物、昭和古着・アクセサリー、おもちゃ、家電、ファンシー文具、ホーロー看板、駄雑貨、昭和歌謡レコード等々が所狭しと並べられる。

「ああ、これあった、あった!」と懐かしさがこみ上げてくるグッズやアイテムに出会う度に絶叫したり、いつの間にか平成最後の年に自分がいることをすっかり忘れてしまい、昭和にどっぷりとハマってしまうこと間違いなしだ。
昭和レトロ市昭和レトロ市

昭和レトロ市公式サイトから引用
昭和レトロ市公式サイトから引用

昭和レトロ市公式サイト(http://www.mihonichi.com/showaretro)には、「お宝逸品などないけれど優しくキッチュな和みのアイテムに魅せられて・・・・」との記述があり、謙遜しているが、公式サイトや公式Facebook等に掲載された昭和レトロ市の写真を見る限り、むしろお宝逸品ばかりに見えて仕方がない。

かつてはどこの家庭にもあったはずの昭和レトロな家電製品やおもちゃは、壊れたり、用無しとなり、または後発の最新機に取って代わられたりして、姿を消していった。

しかし、中には丁寧に扱っていたのか、それとも偶然壊れなかったのか、あるいは捨てなかったのか知らないが、大事に保管する人がいたことで平成の現在でも昭和レトロな物が現存しているのだ。

昭和レトロなデザインは、丸みを帯びたフォルムで観る者の心を和ませるし、知っている者にとっては懐かしさを誘う一方、平成生まれの若者にとっては逆に真新しい”最新型”に見えるかもしれない。

瞬時に時が流れていく現代の時間経過と異なり、なんかゆったりのんびりな昭和レトロに身を委ね、精神の洗浄をするのもよいかもしれない。

【第8回昭和レトロ市 詳細】
・開催会場:綿商会館 http://www.mensyou.co.jp/images/map/map_walk.pdf
・所在地:〒103-0006 東京都中央区日本橋富沢町8-10
・アクセス:東京メトロ日比谷線・都営浅草線「人形町」駅A4出口徒歩約6分
     都営新宿線「馬喰横山」駅A3出口徒歩約6分
     都営浅草線「東日本橋」駅B2出口徒歩約6分
     JR総武快速線「馬喰町」駅1番出口徒歩約9分
・開催日時:2019年3月15日(金)・16日(土)の11:00~17:00
・入場料;500円(中学生以下無料)

■昭和レトロ市
http://www.mihonichi.com/showaretro

■昭和レトロ市 公式インスタグラム midsyouwa
https://www.instagram.com/midsyouwa/

■昭和レトロ市 公式Twitter @kitanomarukouen
https://twitter.com/kitanomarukouen

■昭和レトロ市 公式Facebook 東京 昭和レトロ市 @syowaretroichi
https://www.facebook.com/syowaretroichi/

※料金は平成31年2月1日現在のもの

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

自宅で縁日の射的ゲームを再現できる射的セット【連載:アキラの着目】

Amazon ベル玩菓『200人用射的セット(200回分) 1箱』サイトから引用地域のお祭や、鄙びた観光地・温泉地で必ずと言っていいほど見かけるのが、射的ゲーム。

道後温泉街にある射的ゲームの店
道後温泉街にある射的ゲームの店

特撮ヒーローが携えるようなカッコいいフォルムの銃ではなく、昔ながらの形状の銃にコルクの弾を詰め、至近距離のひな壇に並べられた景品に命中させる娯楽ゲームだ。

店によって異なるローカル・ルールがあり、「命中させて倒したら、景品をもらえる」ルールと、「命中させてひな壇から落としたら、景品をもらえる」というルールに大別される。

写真にあるように、かなりの至近距離から景品を狙い撃ちするのだが、ゲットできる景品とゲットできない景品がある。

比較的軽い質量の景品や、接地面積が狭い景品はゲットしやすいのだが、一方で重い質量の高級ライター等は、命中してもコルクの弾がはじき返されてしまい、ビクともしないのでゲットできない。

通常1回の射的ゲームでは、3発分のコルク弾しか支給されないので、何回も射的ゲームをしたい人にとってはちょっと物足りなく感じるかもしれない。

「伊香保温泉 旅館 よろこびの宿 -しん喜- しん喜便り」から引用
「伊香保温泉 旅館 よろこびの宿 -しん喜- しん喜便り」から引用
「新井旅館 (あらいりょかん) - 修善寺/旅館 [食べログ]」から引用
「新井旅館 (あらいりょかん) – 修善寺/旅館 [食べログ]」から引用

そんな射的ゲームに物足りなさを感じている人のためにオススメなのが、『200人用射的セット(200回分) 1箱』だ。

Amazon ベル玩菓『200人用射的セット(200回分) 1箱』サイトから引用
Amazon ベル玩菓『200人用射的セット(200回分) 1箱』サイトから引用

わざわざ縁日や観光地、温泉地にある射的ゲームに行くことなく、簡単に自宅で射的ゲームができちゃうセットなのだ。

これならば、初期投資分だけで、あとは何回でも何十回でも何百回でもおかまいなく射的ゲームを堪能することができる。

お子さんのいる家庭ならば親子で遊べるし、この射的ゲームをやり続けることで、集中力が付く(!?)子に育つかもしれない。

昔懐かしい昭和な射的ゲームができるセットで親子愛を深めつつ、集中力の開発(!?)をしてみよう。

■200人用射的セット(200回分) 1箱
https://goo.gl/AmtC3x

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

若者&外国人にも大人気!昭和レトロ歌謡【連載:アキラの着目】

先日NHK BS1で放送された『cool Japan』や、以前からも民放各局でも取り上げられたきた昭和レトロ歌謡。

昭和世代に親しまれているのは当然だが、最近は若者や外国人にも大人気なのだとか。

なぜ若者や外国人にも昭和レトロ歌謡はウケているのか?

「知らない曲=新しい曲」

現在のJ-POPは、かつてからあったニューミュージックや歌謡曲が土台となっている。

しかし、J-POPは、アップテンポの曲調だったり、耳にすぐ残るようなメロディラインの曲が少なかったり、等々、様々な要因で似たり寄ったりの曲に聴こえかねない現状があるようだ。

そんな現状に満足しない若者の何割かが、かつての高度経済成長期に流行った曲を、親経由なのか祖父・祖母経由なのか知らないが、たまたま接する機会があり、聴いてみたところ新鮮に感じ、それが若者の昭和レトロ歌謡人気に火が点いたきっかけとなった。

すでに以前から存在している曲にもかかわらず、その存在を知らなかったばかりに、古い曲でも知らなければ、新しく感じ、つまり「知らない曲=新しい曲」と現代の若者は捉えたのだ。

最も活気のあった日本の高度経済成長期を反映した昭和レトロ歌謡

これまでに昭和レトロ歌謡を取り上げた数々の番組内でも言及されていたが、昭和レトロ歌謡が全盛だった頃の昭和30年代後半~バブル期手前くらいまでの昭和期は、最も日本が上り調子で、希望に満ちて活気のあった時代だった。

それゆえに、その時代の曲も世相を反映し、明るい曲調だったり、前向きな歌詞・曲調だったり、余裕感のあるリズムだったり、耳に残りやすいメロディラインだったり、そんな曲が多かったのだ。

欧米に追いつけ、追い越せで、ひたすら働き蟻のように働いた当時の日本人を癒やすために、解放するために必要だったアイテムの1つが、昭和レトロ歌謡だったのではないだろうか。

外国人にもウケている昭和レトロ歌謡

そんな当時の日本人にもてはやされ、消化されてきた昭和レトロ歌謡だが、最近では外国人にもウケており、高評価を得ている。

米国のジャズオーケストラ「ピンク・マルティーニ」のリーダー、トーマス・ローダーデールが、ポートランドの古いレコードショップで『夜明けのスキャット』を”ジャケ買い”したことから見出され、最終的には彼らとコラボするまでになった由紀さおりさんの例は記憶に新しい。

そのような、中古レコード屋で日本の昭和レトロ歌謡のレコード盤を手に取り、ハマってしまった外国人は、今や増加傾向なのだ。

その人気の理由とは、やはり世界各国の音楽が流入したことで、そうした芳醇な音楽環境から日本独自の曲が進化・発達したことが挙げられよう。

外国人DJにより開催、『Showa Kayo Night』

通常のロックやJ-POP、フォーク、歌謡曲、演歌ならば、コンサートやライブがあるが、昭和レトロ歌謡を体感するには?

その疑問の答えが、渋谷区宇田川町にある『リズム・カフェ』だ。

この『リズム・カフェ』では頻繁に『Showa Kayo Night』が開催されている。

驚くべきことに、『Showa Kayo Night』の主催者は外国人DJの方なのだ。

この方、米国人のジャスティンさんも、日本の中古レコード屋で”ジャケ買い”した黛ジュンさんのレコードがきっかけで、昭和レトロ歌謡へとハマってしまったのだという。

ジャスティンさんが最初に購入した昭和レトロ歌謡のレコード、黛ジュン『天使の誘惑』。 しかしお気に入りはB面の『ブラック・ルーム』なのだとか。
ジャスティンさんが最初に購入した昭和レトロ歌謡のレコード、黛ジュン『天使の誘惑』。
しかしお気に入りはB面の『ブラック・ルーム』なのだとか。

この『Showa Kayo Night』には、様々な年齢層や人種が集結し、聴くだけの人もいれば、聴きながら自然と曲に身体を委ねたり、踊る人もいる。

実に心地よさそうな空間のようなので、筆者も一度は足を運びたいものだ。

■Showa Kayo Night
https://showakayonight.com/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

今観ても色褪せない「猛虎伝説」~初代タイガーマスク~【連載:アキラの着目】

どのようなものも日進月歩、技術が刷新され、今日の技術は過去に追いやられ、新たな技術に取って代わってゆくのが必然の流れだ。

それはプロレスにも概ね言えることができ、現代の必殺技は過去の必殺技に比べ、格段に難易度が高くなっていたり、複雑な動きを伴っていたりするのだ。

そんな時代趨勢の中、平成30年の現在でも、決して観ていても色褪せないプロレスが、初代タイガーマスクの試合だ。

初代タイガーマスク入場時のお決まりポーズ

初代タイガーマスクの活躍した時期は、1981年4月23日デビューから1983年8月10日までのわずかな期間しかなく、筆者の少年時代と重なるのだが、初代タイガーマスクは、日本プロレス史、いや世界のプロレス史に名をしっかり刻むほどの輝かしい活躍をしたプロレスラーの1人として語り継がれている。

気になる初代タイガーマスクの正体は、もうプロレスファンなら周知の事実になっているが、若き頃の佐山サトル氏(現・掣圏真陰流創始、日本須麻比協会会長)だ。

プロレスラーとしては、やや小柄な体躯の佐山サトル氏だが、抜群の運動神経で、アニメ「タイガーマスク」の実写版ではないかと言われたくらい、四角いリングを縦横無尽に動き回る四次元殺法で、子供からお年寄りまで大人気を博したのだ。

以下の動画は、プロレスを知らない人でも比較的退屈しないような尺で、視覚的にも次々に楽しめるものを選んでみた。

■The Best of Tiger Mask

■初代タイガーマスク(鬼身体能力)_tiger mask (super ability)

初代タイガーマスクの「猛虎伝説」は、今も色褪せない。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

「東京 カラー映像」で検索したら、昔の東京の動画がザックザク!【連載:アキラの着目】

筆者は、歴史好きだ。

ただし、世界史については熟知しておらず、もっぱら日本史が好きだ。

また、東京の街も好きだ。

したがって、「歴史 + 東京」という組み合わせも好きで、ゆえに昔の東京の街を知りたくなってしまうのだ。

頻繁に動画サイトで東京関連のキーワードで検索するのだが、最も効率が良かったキーワードが「東京 カラー映像」だ。

「東京 カラー映像」で検索したら、昔の東京の動画がザックザク出てきた。

その中の1つを今回はご紹介!

■1935年(昭和10年)東京の貴重なカラー映像
東京のカラー映像(昭和初期)

■1935年の東京と2017年の東京の比較映像 – Tokyo Then and Now

戦前の映像なので、人力車が走っていたり、和服を着ている紳士淑女が多かったり、高層ビルが少ない分だけ空が広かったり、等々、現在の東京とのギャップをかなり観ることができ、興味深かった。

この当時も大都市・東京に違いないのだが、現在の殺伐として、時間が速く流れる東京とは趣きが異なり、長閑でゆったりとした時間経過の街のように、筆者には戦前の東京が見えた。

基本的には、米国による1945年(昭和20年)3月10日の東京大空襲で、東京は焦土と化し、何百年も遺っていた木造建築物や、明治期からの日本家屋などを失ってしまったが、以前このニッポンニュースで取り上げたように、キリスト教会や、ミッション系病院への空襲は、米国が控えていたことから、それら周辺の建物は比較的戦災を免れたりしている。

なので、現在でもそうした、生き残った建物を観ることで、昔の東京を感じることも十分にできるので、これら過去の映像と併せて、実際の生き残り建物を観ることも奨励したい。

そうすることでさらに、昔の東京についての見識を深めることができるかと思う。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099

懐かしい昭和の食器 ~いちごスプーン~【連載:アキラの着目】

天皇陛下が平成31年4月30日に退位されることが発表されたことで、平成の次は何という年号になるのか、にわかに年号に対する関心が出始めたここ最近だが、相も変わらず「昭和」を懐古するブームは廃れていない。

そんな昭和懐古をする上で、やはり気になるアイテムが幾つか存在する。

そのうちの1つが、いちごスプーンだ。

昭和世代の人たちならば、誰もが使ったことのある馴染み深いスプーンだ。

いちごスプーン

いちごスプーンというネーミングだけあって、スプーンのすくう部分がいちご同様にブツブツ状に加工され、スプーン底辺部が真っ直ぐに平たい形状になっているのが特徴だ。

このいちごスプーンは、どのような使い方なのかというと、いちごを押し潰すために使っていた。

そもそもなぜいちごを押し潰していたのかというと、当時食卓のデザートで出されたいちごは、今とは異なり、かなり酸味が強かったので、砂糖や牛乳をいちごにかけて食べていたのだが、砂糖や牛乳が染み渡りやすいように、いちごを押し潰す必要性があったのだ。

いちごが酸っぱい→いちごに砂糖や牛乳をかける→まだ多少いちごが酸っぱい

いちごが酸っぱい→いちごを押し潰す→いちごに砂糖や牛乳をかける→ようやくいちごが甘くなった

このようなプロセスを経て、いちご押し潰し用に特化されたスプーンが登場したようだ。

いちごスプーンの需要は、いちごの甘さに反比例するかのように次第に生産量が激減、最盛期には年間5万本前後の生産量を誇ったいちごスプーンは、現在僅か700本にまで減少した。

しかし、平成の現在、再びいちごスプーンは、脚光を浴びている。

いちごのデザートやジャムを作る際に、いちごを押し潰しやすいとのことで、重宝がられていたり、また、離乳食用や介護用のスプーンとして使われるケースも多いのだとか。

かつて昭和の時代では、どこの家庭でもあったいちごスプーンだが、まだまだ存在価値があるようだ。

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責任編集:拡輪 明-HS099