酸っぱいみかんを食べたい時は【連載:アキラの着目】

いつの頃からか品種改良の技術が飛躍的に進み、大抵の果物は甘くなった。

それも、「糖度●●%」といった甘さをウリにするすることで、より消費者の購買意欲をそそろうという販売戦略も頻繁に見かけるようになった。

しかし、筆者のような酸味の強い果物を食べたい人間に受難の時代だ。

何の果実を食べても、幼少の頃に食べた時よりも数倍甘くなっており、下手すれば酸味すら失っているような果実もあったりする。

その代表格が苺とみかんだ。

以前の日本では、酸っぱい苺しか売られておらず、そのため苺に砂糖をまぶしたり、甘い練乳をかけたりして食べていたのだ。

かつて存在した苺用スプーンは、牛乳に浸した苺を潰すためだけに使われたスプーンで、このスプーンで苺を潰し、牛乳に浸さないと食べられないくらいに苺は酸っぱかったという裏返しでもある。

みかんも以前は酸味のあるものが多かった。

酸味のある早生みかん
酸味のある早生みかん

運動会の季節に出回る、目をつぶってしまうくらいの酸味がある、緑の皮の早生みかんが筆者の良き思い出であり、今でも食べたいみかんなのだ。
酸っぱくて顔をしかめる男の子

みかんも品種改良が進み、ひたすら甘さを追求するのが主流となっている。

しかし、こんなご時世でも酸味のあるみかんは絶滅してはいない。

少数ながらも酸味のあるみかんは存在し、販売されているのだ。

ではどうやってその酸味のあるみかんを入手すればいいのか。

それは、極早生(ごくわせ)品種のみかんを選ぶことだ。

みかんは、収穫時期によって呼び方が変わり、収穫時期の早い順にその呼称を並べると、

・極早生(ごくわせ)
・早生(わせ)
・中生(なかて)
・晩生(おくて)

となる。

通常、下の呼称のみかんに行くにつれて甘みが増すので、より強い酸味のみかんを求めるのであれば、極早生品種のみかんを選ぶのが鉄則だ。

だが、極早生品種のみかんは、主に9~10月頃に出荷され、市場に出回るので、11月の現在でほぼ売りつくした状況と思われる。

では、酸味のあるみかんを入手することはできないではないか。

いやいや、まだ奥の手があるのだ。

それはみかんのなっている個人宅に直接交渉することだ。

庭にみかんの木が植えられ、みかんがなっている個人宅の主は、みかん好きだからみかんの木を植えているんだろうと思っていると、実は意外とそうでもなかったりするのだ。
酸味のある早生みかん

「ウチのみかんは酸っぱいから、採って食べないんですよ」という回答が返ってくる個人宅が案外多いのだ。

「おたくのみかんを全部根こそぎ下さい」と言ったら、さすがにみかんを食べない個人宅の主でも「No!」となるだろうが、「2、3個採っても構わないでしょうか?」と訊くと、「どうぞ、どうぞ、いくらでも採って下さい、ウチのみかんは酸っぱいから、ウチでは食べないんですよ」との回答が返ってくる確率が高い。

そういう地道な交渉を経て、酸味のあるみかんを入手する方法も裏技としてあるので、時期がずれていたら、この方法も試してみよう。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099