良いデータ復旧業者の見分け方【連載:アキラの着目】

情報社会の現在、企業のPCには顧客情報や社員情報といった個人情報がギッシリ詰まっている。

万一、そのPCがクラッシュしたら、データ救出業者の登場となるのだが、実はこのデータ救出業者もピンきりで、怪しい業者も多数存在するのだ。

そこで今回は、良いデータ復旧業者の見分け方をお教えしよう。

「データ復旧率90%」などと謳っているデータ救出業者には要注意!

例えば、インターネットの検索窓に「データ 救出」と入力して検索すると、「データ復旧率90%」というような謳い文句で目を引くデータ救出業者がそれなりにヒットする。

こうした「データ復旧率90%」云々をいうデータ救出業者は、結論から言うと、かなりの確率で大したことないデータ救出業者であることが多い。

それというのも、そもそもデータ復旧率が90%を超えることはありえないからだ。

データを救出・復旧させたい状況は、よくあるケースとして、ハードディスクの記録面が損壊している場合や、磁性体が剥離し、記録していたものがなくなってしまった場合、また、別のデータで完全に上書きされてしまった場合、等々、様々な原因が挙げられる。

なので、どれもこれも完全に復旧できるとはいえないケースが多々あり、せいぜい高くてもデータ復旧率は70~80%がいいところといわれている。

データ救出業者の中には、全受注件数からデータを復旧できた件数としての「データ復旧率90%」を謳っている業者もあり、それは裏を返せば「このデータは復旧できません」と門前払いで突っ返した件数をカウントしていないのだ。

PCのハードディスク

時間経過によりデータが消えてしまうぞと復旧を急かすデータ救出業者には要注意!

普通のIT・PCリテラシーを持っている人ならば、「時間経過によりデータが消えてしまいます! 早くデータを救出すべきです!!」なんてことを言われても、絶対に信じないのだが、中にはこの脅し文句をすっかり信じてしまい、慌てふためいて、こうした業者にデータの救出を依頼してしまう人もいるのだ。

まっとうなデータ救出業者ならば、こんな「時間経過によりデータが消えてしまう」ということは決して言わないので、焦らせて急かすデータ救出業者には依頼しないことだ。

「企業の復旧事例紹介」を自社サイトに掲載しているデータ救出業者には要注意!

データ救出業者の中には、自社サイトにて「企業の復旧事例紹介」を掲載しているところがある。

そういうデータ救出業者には依頼しないことだ。

データは、この記事の冒頭でも触れたように、顧客情報や個人情報が詰まっている。

ゆえにデータの扱いにはナーバスであらねばならず、信用のおけるデータ救出業者ならば、データの復旧作業の前にお客様とNDA(Non-disclosure agreement:秘密保持契約)を締結するのが常識だ。

秘密保持契約なのだから、当然「企業の復旧事例紹介」などもってのほか。

また、お客様側もデータ消失を公開することは、損することはあっても、得になることは1つもない。

「企業の復旧事例紹介」に掲載されることで、杜撰なデータ管理の企業と自らアピールしてしまうことになる。

「企業の復旧事例紹介」への掲載と引き換えに料金を値引きするよ、とデータ救出業者にいわれても、決して応じないように。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099