マニアやヲタであるほどしっかり観ていないのでは?【連載:アキラの着目】

様々なジャンルにはマニアやヲタク(オタク、オタ、ヲタともいう)と呼ばれる人たちが必ず存在する。

通常のファンとの違いは、やはりそのジャンルに対しての熱狂的な愛情や知識を持っていることだろう。

アイドルヲタクであれば、ライブでの歌い方やダンスといったパフォーマンスを、後々のヲタ同士のミーティングの際に語れるようにしっかりと観賞したり、野球ヲタクであれば、贔屓の選手をひたすら声が枯れるまで応援し、これまた後々に語れるようにしっかり観戦したりするのだ。

しかし、中にはマニアやヲタクでありながら、しっかりライブや試合を観ていないのではないだろうか、という人たちも存在する。

例えば、地下アイドルを応援するアイドルヲタクの人たちの中には、ペンライトをグルングルンと振り回す「ヲタ芸」を打つのに夢中になって、アイドルたちのダンス・フォーメーションや、リリースされている歌声と、ライブでのアレンジした歌い方を比較したり、等々、観るべき部分を観ていなかったりしてるようにみえる。

アイドルグループとアイドルヲタク

また、野球ヲタクならば、楽器でチームの応援歌やコンバットマーチなどを演奏したり、アクションやポーズで応援したりといったことや、タオルをグルグル回していたりして、ランナーがいる時の、ピッチャー、バッター、キャッチャー、ランナーの細かな駆け引きをしっかり観ていなかったりしているようにみえる。

野球選手(ピッチャー、キャッチャー、野手、バッター)

最近のアイドルは、モーニング娘。’18に代表されるようなフォーメーション・ダンスや、複雑な振り付けが主流になってきているので、それを観ないわけにはいかないはずだ。

野球では、前述したようにランナーがいることで、盗塁をされてはまずいから、何の仕掛けもなく変化球を投げることはしないので(球速の遅い変化球は盗塁されてしまう)、牽制球を何度も投げてランナーを牽制してから変化球を投げたり、あるいは牽制球を何度も投げることで、次の投球が変化球であるということをバッターに読まれてしまうこともあるので、裏をかいてストレートを投げたりとか、刻々と状況変化してゆく中で、ピッチャー、バッター、キャッチャー、ランナーがどう対応していくのかが、観ていて面白い部分なのだ。

己も”パフォーマンス”をすることで、応援していることをアピールするのも決して悪いことではないが、演じている人たちやプレイしている人たちをしっかりと観賞・観戦するという基本的な観客の有り様にしたがうのも重要なのではないかと思った次第だ。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099