日本が元気だった頃のドラマ ~NHK土曜ドラマ『植木等とのぼせもん』~【連載:アキラの着目】

2017年10月15日

2017年9月2日(土)からスタートしたNHK土曜ドラマ『植木等とのぼせもん』。

10月14日の放送回でもう第7話になるが、まあまあの視聴率とのことだ。

このドラマは、俳優・コメディアンで日本喜劇人協会会長も務める小松政夫氏の自伝的小説『のぼせもんやけん』が原案。

小松政夫氏が付き人を務めた植木等との師弟関係を、当時のバラエティ番組や映画を通じて、面白おかしく、時には涙なしでは見られないようなエピソードも交え、ドラマは描かれている。

NHK土曜ドラマ『植木等とのぼせもん』
NHK土曜ドラマ『植木等とのぼせもん』公式ホームページより引用

ちょうど植木等が”無責任男”で活躍し出した頃は、日本が高度経済成長の第一歩を踏み出した頃。

経済発展のために世のお父さんたちはコツコツと働き蟻のごとく働く毎日をおくっていたのだが、そんなサラリーマンをあざ笑うかのように、コミックソングを歌いあげていたのが植木等だったのだ。

なので、植木等といえば、おじいさん、おばあさん世代ならほぼ誰でも知っているくらい有名な日本を代表するコメディアンなのだ。

植木等の歌った『スーダラ節』が大ヒットを記録し、当時の子供たちが「スイスイスーダララッタ、スラスラスイスイス~イ!」という歌詞を真似たほどだったというから、いかに大人から子供まで人気があったかわかるだろう。

そんな豪快なんだけど、軽快なテンポも駆使する植木等を演じるのは、山本耕史だ。

山本耕史
山本耕史オフィシャルファンクラブ:MAGNUM1031より引用

昨年のNHK大河ドラマ『真田丸』では、クールで生真面目な石田三成役を演じていたが、今回はその石田三成とは真逆で正反対の”無責任男”植木等を演じるのだから、これまた演技の振り幅が大きい。

声の通りが良く、やや声太の植木等をしっかり山本耕史は演じることができるのか、また、クレイジー・キャッツや植木等の歌をしっかり抑揚をつけ、軽やかに歌い上げることができるのか。

植木等・クレイジー・キャッツとは世代が全然離れているにもかかわらず、学生時代に魅了された筆者からすれば、植木等役に抜擢された山本耕史に対して、当初はかなり懐疑的に思わざるを得なかったのは事実だ。

ところが、いざ『植木等とのぼせもん』での山本耕史の演技を見たら、そんな心配は吹っ飛んだ。

歌詞は全て暗記してるわ、思いっきり飛び跳ねるところは飛び跳ねてるわ、軽やかにステップを踏むところは踏んでいるわで、植木等をしっかり頭の中に入れて、おじいさん、おばあさん世代の植木等像から乖離することなく演じているようにみえたので安心した。

しかし、確かに山本耕史の演技も良いのだが、実際の全盛期の植木等をリアルタイムで観たかったなと。

植木等の躍動感は、まさに日本が元気だった頃を象徴していると私は勝手に思っている。

植木等 ©渡辺プロダクション
植木等 ©渡辺プロダクション

■NHK土曜ドラマ『植木等とのぼせもん』
http://www.nhk.or.jp/dodra/nobosemon/

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099