刑務所の飯に麦を使うのは是か否か論争!?【連載:アキラの着目】

2017年10月14日

普段我々日本人は、白米を主食としている。

江戸時代以前は、白米を食べることができるのは皇族、公家、武士の3階級のみで、それ以外の階級では麦や粟、稗などしか食べることができなかった。

そのため、金持ちは白米、貧しい人は麦という格差が明治時代以降もしばらく続いた。

戦後、高度経済成長が始まろうかという時期に、当時の首相・池田勇人は「貧乏人は麦飯を食え!」との暴言を放ち、物議を醸したことがあったが、それくらい麦は、好き好んで食べる穀物ではなかったのだ。

しかし、時代が流れ、平成の現在。

麦は白米よりも食物繊維が豊富で健康に良いということが判明し、また鳥の餌にまで成り下がってしまった粟や稗も、同様のメリットが判明したことから、一部のセレブたちの間で、あえて白米よりも麦や粟、稗を食べることがもてはやされるようになった。

セレブが使うスプーン、ナイフ

かつては貧しい人が仕方なく食べていた麦、粟、稗を、今やセレブが健康志向ブームの下、率先して食べているのだから、時代の変化は本当にわからないものだ。

そんな時代の変化の最中、もう10年くらい経つであろうか、ちょっとした論争が噴出した。

刑務所の食事で支給される主食の麦飯は、平成の今の時代においては、むしろ”贅沢”なのではないかということだ。

刑務所の独房

日本の刑務所で支給される主食がいまだに麦飯なのは、明治時代に制定された刑法に則っているからだ。

麦飯と言いつつも、実際は「白米:7、麦:3」の割合で麦を配合した白米だ。

麦飯

しかし、前述した通り、白米だけでなく、食物繊維が豊富な麦を配合している分だけ、健康を気遣っている要素が増えるため、服役者に白米よりも健康に良い麦飯を支給するのはいかがなものかという意見が出てきたのだ。

要するに、罪で服役した者に、”塀の外”の人たちが食べている物よりも健康に良い物をわざわざ食わせていいのか、ということだ。

こんな異論まで出てくると、では刑務所では何を主食として支給すればいいのか、わからなくなってくる。

服役者だから不健康な物を食べさせればいい、というのも人権侵害にあたるので、何を支給することが適切なのかは各人で意見が分かれるところだ。

かつては見向きもされなかったり、下に見られていた物が、時が経つとその立場を逆転してしまうことが日本では度々あるが(鯨肉や鮪のトロなど)、麦もその一例だろう。

FJ時事新聞
責任編集:拡輪 明-HS099